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2011年04月05日

第26回「酔いどれ句会」報告

震災の復興と原発の収束をお祈り致します

〇日時 : 平成23年4月4日(月)19時頃から
〇場所 : BBQくにむら
〇費用 : 各自の飲み代
〇義捐金: 各自500円 (日本赤十字社に)
〇兼題 : 「芽」
〇投句 : 基本は一人5句(うち1句以上は兼題を詠み込んだ句とする)、少ない投句数でもOK。
〇選句 : 今回は一人8句を選んでいます。 
〇参加者: 
投句&句会参加は酒多良福、紅帽子、実桜、泥游、風船、北留2号、恵夢、藍色園人の8人。
不在投句は鳴兎小吉、水月、与太郎、ニック・ジャガー、所爺の5人。
ニック・ジャガーは不在投句ですが別途選句もしてくれました。
それと未定子が遅くに登場してくれました。
以上、合計14人の参加です。(敬称略)

最終的に選句者は9人となり、今回の句会の理論上の最高得点(満点)は以下のようになります。
  〇句会参加者:8点(自分の句には点を入れられないので)
  〇不在投句者:9点


face02face02face02face02face02face02face027点句
そのことに触れぬ友あり桃の花         (水月)

face02face02face02face02face025点句
あるだけの春の芽届けんみちのくに       (紅帽子) 
映像をただただ見つめてただ見つめ       (与太郎)

face02face02face02face024点句
幾万回繰り返すとも新芽かな         (酒多良福)

face02face02face023点句
避難所の子らの遊び場つくしんぼ      (鳴兎小吉)
避難所の母のことばのあたたかし         (水月)
いつの日か芽が出ると早五十路かな     (酒多良福)          
白雪の深き底にも新芽あり           (与太郎)
背にリュック道に迷いし新寮生       (藍色園人)
雨の朝春の匂いを思い出し        (ニック・ジャガー) 

face02face022点句
原爆は体にええんよと母の言う       (紅帽子) 
目覚めれば小っちゃこい芽に春の雪    (紅帽子) 
一の蔵独り静かに呑んでみる        (恵夢)
粗目雪踏みつ土の香探しつつ        (恵夢)
かたくなな冬芽もやわきネコとなり      (ニック・ジャガー) 
芽の中に春への希望充ちており       (ニック・ジャガー) 

face021点句
安否不明なれども木々は芽吹きたる    (鳴兎小吉)
被災地の闇に春星潤みをり          (鳴兎小吉)
避難所に肩を寄せ合い彼岸寒        (鳴兎小吉)
病む吾に殊にまぶしき木の芽かな        (水月)
柏餅笑つてゐれば何とかなる           (水月)
みちのくの女は強し梅の花             (水月)
荒れ野にも芽吹きの音と槌の音       (酒多良福)
屋上にあるはずのないサンマ船        (与太郎)
来た来たぞ年に一度の独活の時季      (恵夢)
硬き芽の吹く日や近し散歩道          (恵夢)
バスを待つ買い物袋に桃の花          (恵夢)
原発の化け物ぶりを知らざりき        (紅帽子) 
不安の芽彼の日に摘めずいま開く       (北留2号)            
おはようと冬耐えし芽に声かける        (北留2号)            
桜花盛りの陰で若芽待つ            (所爺)
陽が延びて葉の芽花の芽色覗く       (所爺)
雪原のかすみも春のきざしなり      (ニック・ジャガー) 
掌の中で春の目覚まし踊りけり      (ニック・ジャガー) 
春吹雪古刹に僧の袈裟揺れぬ     (泥游)
学び舎に春の帰らぬ子らもあり     (泥游)

face11
被災地の子ら慎ましくふきのとう        (鳴兎小吉)
草の牙と書くのだなあと新芽見る       (酒多良福)
紅顔の新人闊歩街芽吹く            (酒多良福)
芝草の光を浴びて若芽伸ぶ     (北留2号)
リアス式海岸風光明媚也      (紅帽子)
新学期スーツに着られた娘あり    (泥游)
雪の下ハナサフランの芽を上げぬ   (泥游)
甲子園再び帰る日を誓い       (泥游)
初乗りのシールド越しに春の色    (藍色園人)
じゃんけんで決めたらどうや地方選  (藍色園人)
18の手稲に向かいて歩きたる     (藍色園人)
空高く風そよぐやポプラの芽     (藍色園人)
センバツや土煙立ち君は吼ゆ            (所爺)
春の雨出る芽を探すコーチの目           (所爺)
デヴェロップ芽がほころんで開く様(さま)     (所爺)
道端にお駄賃もらったふきの芽が         (与太郎)
陽だまりで芽かぶ茶すするばあちゃんと     (与太郎)
助け合う焚火を囲む人と人       (風船)
春の日は恋の予感す胸ドキドキ   (風船)
子を捜す父母の声する雪の舞う    (風船)
体育館逃れて過ごす寒き夜      (風船)
風ぬるみ新芽ほころぶ帰り道     (風船)

以上58句です
義援金は5日(火)泥游さんが日本赤十字社にふりこみました。
(文責 風船)


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タグ :句会俳句

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Posted by BBQくにむら at 20:30│Comments(8)くにむら俳壇
この記事へのコメント
風船さん、幹事の代理を買って出てくれて本当にありがとう。お疲れ様でした。

今回涙をこらえなければならないことが、幾度かありました。

  「避難所の母のことばのあたたかし」
この句の感想を述べているときはいちばん言葉がつまりました。母を案じて言葉をかけると、母はこちらを案じてくれていたんですね・・・

さあ涙を拭いて、生業に励み、財布の紐を緩めて元気に暮らしていきましょう。

・・・・・

小吉さんのいない句会はやっぱり寂しいです。
Posted by 良福 at 2011年04月06日 18:17
 みなさん、そうだったと思いますが、このたびの句作は苦しかったです。何を表現しても軽くって、それでどうしたんだ、と自分で考え込んでしまい、私の好きな脱力系の句もなかなか作れませんでした。
 ちょっと物議を醸した「原爆は体にええんよと母の言う」(2点もいただきました)ですが、今の時期に、これを出そうか出すまいかはずっと迷いました。
 母は13歳の時広島で爆心地から1,5㎞の場所で被爆し、その日も翌日も放射線の降り注ぐ町を歩き続けて田舎に避難したとのことです。ベクトルだとかシーボルトだとかよく知りませんが、そういうものを大量に浴びたことはたしかです。しかし、不思議なことに、母が言うには「体があれから強うなったんよ」「ニンニクとトマトしか食べるもんがなかったけえ、そればっかり食べとったんが、えかったんかねえ」だそうです。母は今年80歳になりますが、すこぶる元気です。小さいときから聞かされていたので、私は放射能というものをそういうものだと理解しています。もちろん、多くの人が悲惨な死に方をしたのも事実ですが、こういう例もあるというのはこれまた事実です。私の言いたいのはそれだけです。
 ただ、今のニッポンは「がんばろう…」と口では言いながら冷たすぎるという思いがあります。たいしたことのない放射線量で右往左往するのは、ちょっと違うんじゃないかという気がします。これでは、一番大変なはずのフクシマが可哀想すぎます。「うろたえるなニッポン!」という気持ちが、この句を掲出した動機であります。
 最後に、5点もいただいた「あるだけの春の芽届けんみちのくに」は夏目漱石の「あるほどの菊なげいれよ棺の中」というお葬式での句の焼き直しです。慧眼の風船さんに見破られてしまいました。さすが、水産学部国文科ですね。   ちょっと長く書きすぎました、失敬。        紅帽子
Posted by 紅帽子 at 2011年04月06日 22:47
最近は、避難所の方々の言葉が良く伝えられるようになり、テレビで聞いていても泣きそうになることがあります。

幾万回繰り返すとも新芽かな
は天災すら越えているような、ただうつろっていくものの凄さを感じて、今回一番好きな句でした。

風船さん、幹事業務お疲れさまでした。
選句に参加させていただいとても嬉しかったです。
Posted by ニック・ジャガー at 2011年04月06日 23:05
 投句もせず、遅い時間に顔を出して、選句もしないままで失礼しました。
 句会が終わったあとで、居残った紅帽子さん、風船さん、泥游さんには話しましたが、冒頭に掲載されていた「安否不明なれども木々は芽吹きたる」を見た瞬間から、もう別なことが頭を占めて、冷静に句を選ぶどころじゃなくなってしまっていました。
 小吉さんが被災の故郷にいることを聞いて、なおさら色々な思いが募りました。
 中途半端に顔を出したことを少し悔やみながらも、句会のあたたかな空気を感じられて、なんとなくありがたかった夜でした。
Posted by 未定子 at 2011年04月06日 23:27
前のバージョンでは、
良福さん 幾万回繰り返すとも新芽かな の句がカブっており、
与太郎さん 屋上にあるはずのないサンマ船 の句が抜けておりました。良福さん、与太郎さん、皆様にお詫びして訂正致します。申し訳ありませんでした。         風船再拝
Posted by 風船 at 2011年04月07日 19:02
あるだけの春の芽届けんみちのくに (紅帽子) 

紅帽子さんのこの句のような皆さんの気持ち、本当にありがたく思います。
避難所にはたくさんの善意の品物が届けられ、炊き出しが行われ、ボランティアが来てくれていました。私の両親だけでなくみんなが感謝していました。本当に、本当にありがとうございます。

避難所に帯広自衛隊が設営してくれた「熊の湯」に入浴できたときの以下の一句は句会前に良福さんにメール送信したものです。家の片づけ作業の後の風呂はまさに極楽でした。

避難所の「熊の湯」浴びて春夕焼 (鳴兎小吉)

以下は避難所から札幌に向かって峠を越えていたときに浮かんだ句です。

被災地の丘に一樹の梅真白 (鳴兎小吉)
Posted by 鳴兎小吉 at 2011年04月08日 09:27
昨日、藍色園人さんに水月さん今回好成績でしたね、と教えていただいて、さっそくブログ訪問させていただきました。

3月11日から一ヶ月が過ぎ、人生観が変わるとはこのことかと
実感しています。

渋谷家では午後7時から夕食なのですが、両親と私たち夫婦4人は
笑いながら、楽しく、毎日食卓を囲んでいます。

両親はいのちを助けていただきました。

今日は春のとても過ごしやすいお天気に
あいの里を二人仲良く散歩しています。
Posted by 水月 at 2011年04月14日 13:16
水月さん、お見事でした。

句会の席でも申しましたが、7点句は様々なシチュエーションが想像される秀句でした。普遍性があります。
春は悲喜こもごもの時期です。試験、別れ、異動。今回は天変地異。

コメント、ありがとうございます。
Posted by 良福 at 2011年04月15日 02:08
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