BBQくにむら

ぴーぽーぴーぽーぴーぽーぴーぽー　

酔いどれ句会15回目にして非常事態発生です。起きてはならない事件がついに発生してしまいました。この重大事件の犯人は誰あろう・・酒多良福であります。

選句した10句を順々に発表していく句会の一番はじめ、それもトップバッターの酒多良福のときに事件は起きたのです。朗々と自信に満ちた表情で選んだ句を読み上げていった酒多良福が9句目を読み上げたとき、小吉幹事の振れてはならないアンテナが大きく揺れて「ブー！」音を発します。
「待った！それはブーだ！！」

起きてはならないこと･･･そう、なんと酒多良福は自分の句を自信満々、何のてらいもなく選んでいたのです。もちろんすぐに自らの間違いに気づいた酒多良福は、赤面しつつ謝罪し、別の句を選び直してその場を何とか取り繕おうと必死でしたが、時遅し。他の参加者全員から大爆笑を浴びせかけられたのでした。良福さん、これからは気をつけようね～
（ちなみにこの問題の句の成績は最終的には0点でした・・）

〇日時　：　平成22年5月10日（月）19時頃から
〇場所　：　BBQくにむら
〇費用　：　各自の飲み代
〇兼題　：　「みどり（緑、碧、翠など）」一切
〇投句　：　基本は一人5句（うち1句以上は兼題を詠み込んだ句とする）、少ない投句数でもOK。
〇選句　：　今回は一人10句選んでいます。　
〇参加者：　
投句＆句会参加は酒多良福、鳴兎小吉、恵夢、北留2号、紅帽子、実桜、風船、戊瓶の8人に句会終了間際に優海（ゆかい）が駆けつけてくれて最終的には9人。投句なしの句会参加はKY原。
不在投句はニック・ジャガー、錆爺、中継信号、俳隅巣、時折愉快の5人。
水月は不在投句ですが別途選句もしてくれました。
以上、合計16人の参加です。

最終的に選句者11人ということで、今回の句会の理論上の最高得点（満点）は以下のようになります。
　　〇句会参加者：10点（自分の句には点を入れられないので）
　　〇不在投句者：11点

　6点句

五月晴れふわりと父が逝きにけり　　　　　　　（風船）

　5点句

由良川の茅葺き屋根にあがる鯉　　　　　　　　（中継信号）
友だちの増えてゆく日々ふきのたう　　　　　　（水月）　

　4点句

みどりこのてにぎりしよなわらびくさ　　　　　（実桜）
モノクロの街に湧き出る緑かな　　　　　　　　（酒多良福）
彼の人は逝きたり冷たき春背負ひ　　　　　　　（恵夢）

　3点句

新緑の兆しも見えず堅蕾　　　　　　　　　　　（北留2号）　　　　　※かたつぼみ
ここ一輪向こうに一輪春遠し　　　　　　　　　（北留2号）
聾の子ら共に校歌を叫ぶ春　　　　　　　　　　（紅帽子）　　　　　　※ろう
春恋し傘を持つ手の凍えおり　　　　　　　　　（恵夢）
窓拭けば雲雀の声と土の香と　　　　　　　　　（恵夢）
みどりごと手を引く兄の笑顔咲く　　　　　　　（時折愉快）
桜の葉剥がして気づく亡母のくせ　　　　　　　（時折愉快）　　　　　※はは　　
新緑や小さき靴と野球帽　　　　　　　　　　　（風船）
グリーンだエコだと買い換えゴミは増え　　　　（酒多良福）
　　　　　　　　　　　　　　
　2点句

冬越えの小麦の緑目にうれし　　　　　　　　　（ニック・ジャガー）
春の田に雪再来や白鳥群　　　　　　　　　　　（ニック・ジャガー）
ひたすらに雲雀鳴きおり午睡どき　　　　　　　（ニック・ジャガー）
緑立つ由良川の水口にして　　　　　　　　　　（俳隅巣）
新緑に光まぶしき祭りかな　　　　　　　　　　（戊瓶）
野の緑鳥のさえずり山辛夷　　　　　　　　　　（戊瓶）
踏まれても踏まれてもなお緑あり　　　　　　　（戊瓶）
洋館の櫻を恋ふる午睡のお茶　　　　　　　　　（戊瓶）　　　　　　　※ひるのおちゃ
空路ゆく北の大地はうす緑　　　　　　　　　　（錆爺）
清風に早苗も踊る田植え歌　　　　　　　　　　（優海）
水引いた棚田の土手にイヌフグリ　　　　　　　（実桜）
ほろ酔いの万朶を透かすおぼろ月　　　　　　　（実桜）　
新緑に浮かれてヤマガラ里詣で　　　　　　　　（酒多良福）
咲き初めど花に嵐のたとえかな　　　　　　　　（紅帽子）
桜咲くギプスをはずし朝の靴　　　　　　　　　（紅帽子）
君の髪緑の中でそっと撫で　　　　　　　　　　（風船）
さくらさく願いをこめたさくらさく　　　　　　（北留2号）
春昼の雑踏ながめカプチーノ　　　　　　　　　（鳴兎小吉）　　　　　※しゅんちゅう　　　　　　　　
　　　　　　
　1点句

昨日より今朝の新芽の青々と　　　　　　　　　（恵夢）
土割りて出し緑の愛おしき　　　　　　　　　　（恵夢）
若草にかがやく昨夜の雨の粒　　　　　　　　　（水月）　　　　　　　※よべのあめのつぶ
留守電に残す伝言夏来る　　　　　　　　　　　（水月）
山小屋に香る蕗味噌風になり　　　　　　　　　（俳隅巣）
さまざまの石をめぐりて春の川　　　　　　　　（俳隅巣）
トロッコ道蛙の声も道連れに　　　　　　　　　（俳隅巣）
春遅し残雪脇のふきのとう　　　　　　　　　　（錆爺）
スペースシャトル春紺碧の天空へ　　　　　　　（鳴兎小吉）
雨あがり柳の緑したたりぬ　　　　　　　　　　（紅帽子）
風温みアスパラガスの甘みかな　　　　　　　　（戊瓶）
春遅刻山の緑も駆け足で　　　　　　　　　　　（北留2号）
朝靄の畑を想う茶の香り　　　　　　　　　　　（優海）
通勤の心和ます蕗の薹　　　　　　　　　　　　（優海）
由良川に緑の町がそびえ立つ　　　　　　　　　（中継信号）
「形見にね」祖母にねだった翡翠玉　　　　　　（時折愉快）
山わさびふきのとう味噌父の味　　　　　　　　（時折愉快）
チューリップ緑の蕾のまま五月　　　　　　　　（酒多良福）
君買いしテレビを春に買い換えり　　　　　　　（風船）
ジンギスカン片道250km　　　　　　　　　　　（実桜）

　

陽風に煌めく緑空に映え　　　　　　　　　　　（優海）
砂丘超え眼下に緑植林地　　　　　　　　　　　（優海）
故郷の祭りを遠く思いけり　　　　　　　　　　（風船）
緑立つ歩くとそよぐ風の音　　　　　　　　　　（中継信号）
オホーツクの海に碧の風光る　　　　　　　　　（鳴兎小吉）
夕映えの夕張山地雪残る　　　　　　　　　　　（鳴兎小吉）
ふきのとう心の闇を仄ひらく　　　　　　　　　（鳴兎小吉）
みどりのこ自然がいっぱいたのしいな　　　　　（時折愉快の小3の息子さん作）　
春は逝く春を実感させぬまま　　　　　　　　　（水月）
自転車で祖父の家まで風光る　　　　　　　　　（水月）
朧なる月下萬緑新たなり　　　　　　　　　　　（ニック・ジャガー）　　※げっかばんりょく
風やさし雨またやさしみどり萌え　　　　　　　（ニック・ジャガー）
凍れ解け芝の緑に口遊む　　　　　　　　　　　（北留2号）　　　　　　　※くちずさむ
ネギ採りを阻む林道なだれ雪　　　　　　　　　（実桜）
転勤の緊張感もいいものさ　　　　　　　　　　（紅帽子）
蕾らが早く咲かせよと空を見る　　　　　　　　（酒多良福）

以上、69句です。

今年は春の到来が遅れていて、今回の兼題「みどり」の季節がなかなかやって来ず、みんな苦しんでいたようですが、それでも何とかひねり出すところは酔いどれ俳人たちの（隠れた？）技量の賜物でしょうか。皆さんこれからもよろしくお願いしますね。

（文責：鳴兎小吉）

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