第4回「酔いどれ句会」報告

BBQくにむら

2009年06月02日 13:39



左の写真は句会のときに使っているフォーマットです。
だれの作品かわからないように俳句を事前に記入しておき、句会が始まってから下部のマトリックスに誰が点を入れたか、そして講評後に誰の作品かを記入するようになっています。

右の写真は句会終了後、放心状態(5点とって恍惚状態?)の未定子です。
結構エネルギー使った感じですね。

ところで、前回から参加の紅帽子さんから投句の際に以下のコメントをいただきました。
とても共感するところが多いので紹介しますね。

『俳句は難しい。なにしろ字数が短すぎる。と、思って書いていると、575の「5」すら書ききれない。言葉が出てこない。
でも、季節の風物を今まで以上に観察している自分がいるのをときに発見することがある。この情景を575にすればいいんだけどなあ、なんて思っている自分がいることに少々驚きと妙な喜びを感ずる今日この頃かな。』

ということで、第4回「酔いどれ句会」の結果報告です。

〇日時 : 平成21年6月1日(月)20時半頃から2時間程度+余韻のままに終電まで飲み会
〇場所 : BBQくにむら
〇費用 : 各自の飲み代
〇兼題 : 「雲」一切
〇投句 : 基本は一人5句(うち1句以上は兼題を詠み込んだ句とする)、少ない投句数でもOK。
〇選句 : 一人10句ずつ選んでいます。 
〇参加者: 
句会参加は酒多良福(さかたよしふく)、鳴兎小吉(なきうさぎしょうきち)、戊瓶(ぼびん)、錆爺(さびじい)、未定子(みていし)、紅帽子(べにぼうし)の6名でした。他に不在投句がニック・ジャガーと与太郎(よたろう)、風捨(ぶーしゃ)の3名、合計9名の参加でした。

今回の句会の理論上の最高得点(満点)は以下のようになります。
  〇句会参加者:5点(自分の句には点を入れられないので)
  〇不在投句者:6点

 5点句

夏雲に吸い込まれゆく大飛球 (未定子)・・・満点!

 3点句

十六夜の月を隠すな流れ雲 (風捨)  ※いざよいの月
入道雲山野の緑力増す (錆爺)
新緑の山大風に蠢いて (紅帽子)  ※うごめいて
苦もせずに句もひねらんと雲にらむ (与太郎)・・・みんなが努力賞だって言ってたよ。
トチノキの花指す先に白き雲 (ニック・ジャガー)

 2点句

沸き上がる雲に託すや夏の陣 (戊瓶)
世事を越え流るる雲の軽やかさ (戊瓶)
単身赴任月一回は雲を超え (錆爺)
蚊の羽音夕暮れ時に雲燃ゆる (錆爺)
ボヘミアンたらんか友よ雲となれ (鳴兎小吉)
来し方の雲霧払えり花吹雪 (鳴兎小吉)
夏雲がどかんと山に座りをる (鳴兎小吉)
カモメ鳴く街に雨雲リラの候 (酒多良福)
雲漢に両断さるる新月夜 (酒多良福)   ※雲漢=天の川
朝霧のヴェール引き裂く鹿の声 (風捨)
永遠というテーマを歌うせせらぎの音 (風捨)
雲の影横切っていく麦畑 (ニック・ジャガー)
どうしようもないなつみが泳いでいる (紅帽子)

 1点句

うらめしや月曜朝が五月晴れ (紅帽子)
風一陣夏雲飛ばし十勝岳 (紅帽子) 
青雲の心懐かし不惑かな (酒多良福)
鈴の音か歩み止めればヒワの群れ (酒多良福)  ※りんのね
雨雲がじゃれてすり寄る雨男 (ニック・ジャガー)
かよわげな早苗の水面風に揺れ (ニック・ジャガー)
降臨の兆しか、暗き雲低し (ニック・ジャガー) 
億光年はるか星雲娑婆ありや (鳴兎小吉)
姿はあれど形なき雲我が身かな (風捨)
せわしない都会の空にカモメ飛ぶ (風捨)
大雷や季節急ぎて雲の飛ぶ (未定子)
驟雨過ぎポカリ同居す雲と虹 (未定子)
気がつけば雲ひとつ無く空の青 (戊瓶)
古傷が思い出させた親不知 (戊瓶)

 

たなびくは雲か霞か山露天 (未定子)
晴空に独り在る雲なぜ黒し (未定子)
雪解けの水押し寄せて滝となり (紅帽子)
薄青の無地に浮かんだ白き雲 (戊瓶)
水無月や雲の重さは如何程ぞ (酒多良福)
夏空に一片の雲羊蹄山 (鳴兎小吉)

以上、39句でした。
(文責:鳴兎小吉)

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