第１８０回酔いどれ句会清記表
今回の投稿作品は5５句あります。７句選んでください。
句会同人の方に限らせていただきます。
選句結果はコメント欄に記入し、できれば選評も書いてくださいね。
酒多 良福
1 心地よい声に満たされ日向ぼこ
2 明け方の除雪に感謝し駅に着く
3 餌台に一羽来てゐる白障子
4 波のごと嵐の後の雪の原
5 不揃いの卒論たちが明けてゆく
6 薄雪の夜明けの月は霞みけり
7 春の雷明るい日と書く明日かな
8 想ひ重ぬる「雨の慕情」や雪明り
9 昔日の咎を率ゐて鎌鼬
10 海明けや炬燵の漁師むくむくと
11 春遠し花屋の消えた医大前
12 寒晴れの夜明け前ほど闇深し
13 除雪車の音で起き出す夜明け前
14 今朝ちょっと明るい春は名のみだが
15 目つむりて沈む浴槽虎落笛
16 妻の突く杖の先まで四温光
17 着ぶくれて御使いひとつ忘れけり
18 生かされる奇跡を想ふ冬の星
19 セルフロウリュして寒曙に整へり
20 明けぬ夜落ちても赤き寒椿
21 方舟に乗らぬも乗るも春を待ち
22 火花散る鶴嘴夜中の氷割り
23 嵐去り青空に舞うしずり雪
24 冬越せぬ雀もありや白湯の味
25 猛吹雪追試再試やレポートや
26 母送る寺を明るく寒椿
27 今宵またプラネタリウム雪見風呂
28 電車道小さき春を持ち帰る
29 降る雪や明治も昭和も遠くなり
30 勝ち星を指折り数え球正月
31 すずなりの鈴の音響き寒すずめ
32 髪凍てて螺髪逆立つ仏かな ※らほつ
33 吹雪明け雪かき急くや明鴉
34 雪の道すこし明かりて影立ちぬ
35 街なかにけもの道あり吹雪明け
36 春黎明星座のショウは第二幕
37 ザル法でまたも当たらず鬼の豆
38 コークスの明るき傍の紅き頬
39 大ざっぱ明日は雪です北海道
40 薄明かり凍れゆく夜にシベリウス
41 楕円球明治の春は遠くなり
42 眩しさや大雪明けの窓の外
43 外語飛び交ふフェスティバル寒明くる
44 明けますと昭和百年なんですね
45 天気予報決死の除雪を覚悟する
46 除雪車の音頼もしく夜明け前
47 オールもて氷柱叩き落とす湖畔
48 旅立ちや明日の豪雪今知らず
49 かわいそうで寒暖計を家に入れる
50 白息の密度増しゆく明烏
51 節分やNGなのか怖い鬼
52 雪山や背丈を越して積みにけり
53 暴風雪身に受け一歩が重い
54 窓氷触れてしまった指の跡
55 雪原の風光六十路たる自由
以上です。
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