第178回酔いどれ句会清記表
今回の投稿作品は50句あります。7句選んでください。
句会同人の方に限らせていただきます。
選句結果はコメント欄に記入し、できれば選評も書いてくださいね。
酒多 良福
1 冬うららサキソフォン手に河川敷
2 夕鶴の恩より怖し鳥感冒
3 小春日にちょっと窓開けジンギスカン
4 真っ白だよ布団に戻る静寂
5 背の疼き帯状疱疹六十年
6 はかどらぬ花眼のさらひ暮早し
7 夕されば辿る者とて枯木立
8 公園の空っぽベンチ冬に入る
9 雪虫を払ふ木枯らし石狩鍋
10 闇汁や油断のならぬ輩ども
11 寒灯や夕餉の支度始まらん
12 勤労感謝の日じっとねんきん定期便
13 濁り湯の深みにはまる冬夕焼
14 風渉る畔に夕顔靡きをり
15 蔦紅葉夕日の赤を搾り取り
16 マヨネーズ付きをつい買うむしり鱈
17 上着脱ぎ紅を直して七五三
18 鱈の子はタラコですじゃあ鰤の子は
19 生ききって死にきる冬の大夕焼
20 初雪を河畔の宿で迎えたり
21 夕星に負けじと天狼夜空統ぶ (ゆうつづ)
22 もうじゃなくまだ十二月だの余裕
23 雑踏のかはたれどきに時雨来る
24 シヨパンのタで笑えたという昭和 タ(た)
25 冬近しいつも通りに髪を切る
26 夕帰り土星の如き帽の雪
27 湯豆腐の季節が急にやってきた
28 白煙と夕げの香り風冴ゆる
29 借りてきた猫は炬燵の附録かな
30 喪中との女名前の文二通
31 道知れば夕べに死すも日記買ふ
32 星ひとつ映す湖畔の霜夜かな
33 夕しぐれ脱兎のごとき中学生
34 冬鴎鳴く坂二万秒の恋
35 喝采のごと落葉叩く夕雨かな
36 夕時雨狸小路をブギウギと
37 風花の夕べとなりし時計台
38 般若湯脇に控へり薬喰
39 恵庭岳白帽著るき夕映えや
40 夕焼けの焼ける間もなく冬の宵
41 冬隣夕闇照らす新店舗
42 思い出を小樽の冬に置いてきた
43 バスも消えまた雪深し夕張路
44 夕鴉木の葉とゐたる駅の椅子
45 卓上にコンロ夕餉に柚子添へて
46 冬の夕うたたねのお茶冷めにけり
47 うたた寝のじじにひざ掛け「もう起きて」
48 初雪やうれしうとましでもうれし
49 冬眠はあとさきあまり考えず
50 スタンド で位牌のごときスマホかな
以上です。
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