第１７２回酔いどれ句会清記表
今回の投稿作品は５３句あります。７句選んでください。
句会同人の方に限らせていただきます。
選句結果はコメント欄に記入し、できれば選評も書いてくださいね。
酒多 良福
1 輪唱に下校のチャイム薫る風
2 砲金色の湖面に映る山笑ふ ※ガンメタの
3 サファイアを入れて眺めし金魚玉
4 桜桃忌瑪瑙の数珠を懐に
5 大夕焼僕らはみんな詰んでいる
6 遠足の目当は水晶オタモイ路
7 新茶ですタイマー鳴ってお湯注ぐ
8 菜の花や猫あくびして吾あくび
9 黄鉄鉱の奇跡のキューブ雨蛙
10初蝉や撫でれば温き御影石 ＊ぬくき
11春陰やスーツの君は黒曜石
12水曜の有給休暇空は初夏
13砂塵舞い子らの鼻には玉の汗
14崖の下ひっそり菖蒲地層眺む
15かたつむり コピー用紙を食べる虫
16夕凪や子を授からずルビー婚
17故郷のハザードマップ迎え梅雨
18なまずはね 皮目がとっても蛇っぽい
19インカローズのえも言へぬ朱（あか）夏衣（菱マンガン鉱）
20ジャズ響く軟石倉庫月おぼろ
21まいどあり カゴで飛ぶ札 石の守り（もり）
22天を衝け周回遅れのたちあおい
23梅雨空や遠足延期小石蹴る
24ペリドット眠るジオパークラブ日高草（橄欖石）
25リラ冷や夫婦で通う整骨院
26木漏れ日や帽子の子等の踊る庭
27お通しはにがみよろしき初蕨
28暮遅し古きバーの灯港町
29エメラルド 美しきかな 子猫の目
30リラ冷えや昔通りし舗道濡れ
31うつろふは蛋白石の火か猫の恋 ※オパール
32孫摘みし花束可愛い誕生日
33転寝の腹に朝寝の借りた猫
34明日想う病の窓の常夜灯
35梅の実の並びて偲ぶ名店主
36かんざしの刺す手の紅く祭り髪
37夏浅し湯屋に舶来鉱泉水
38嗅覚の失せて鉢買ふ梔子や ※くちなし
39デカイのが出たので「大」で流してみた
40妹と歩幅を合わせ青田波
41植樹祭上より眺む一本松
42執刀医黒曜石のメスを持ち
43グラジオラス思い馳せてやみちのくへ
44「生きてるんだからいいさ」ICUに鯉のぼり
45午後三時軟石造りのカフェの涼
46車窓越し振る手小さき夏帽子
47残酷だそりゃ誤解だよ揚げ雲雀
48風薫る北海道石輝く
49鍋がない石を燃やして麺すする
50鰻重の米だけ食べて身を残す
51黄砂飛び黄鉄鉱の色満ちる
52明日想う隣人は思わぬやも知れぬ あす となり
53ビートルズよりローリングストーンズ
以上です。
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