第133回酔いどれ句会報告
感染リスクと言われると、返す言葉がなくなるような雰囲気の今日この頃、考えうる最良の対策を講じつつ、酔いどれ安全衛生句会が開催されました。
出席者は、山茶花、高丘夕雨、北留2号、紅帽子、泥游、戊瓶、酒多良福の7名、不在選句者は、林檎、床雑巾、湯児、鳴兎小吉、ニック・ジャガー、未定子の6名でした。
一人当たり7句選んでいます。
出句者は、山茶花、高丘夕雨、林檎、湯児、ニック・ジャガー、北留2号、鳴兎小吉、紅帽子、泥游、戊瓶、酒多良福の11名で、54句が集まりました。
兼題は「卒業」、または自由題です。
間違い探しとコメントをよろしくね
酒多良福
煮凝りをじっと見つめる冬の朝 山茶花
除雪終えゴジラのごとき息を吐く ニック・ジャガー
仰ぎ見た山を歌いて卒業す 戊瓶
吾子抱いて退場定時卒業式 湯児
遠来の母感謝言えず卒業 戊瓶
向う見ずに出でし故郷や卒業歌 鳴兎小吉
黒板にイニシャルひとつ卒業期 高丘夕雨
黒川、卒業したくないってよ 紅帽子
卒業の軽音部室影や濃し 高丘夕雨
振り向かず卒業式の幕を背に 酒多良福
卒業しなを制服のごと黒スーツ 酒多良福
雪静か中止の知らせまた一つ 泥游
梅ほのか太陽の塔立ち上がる 泥游
卒業の日なにもかにも置いてきた 北留2号
地吹雪に円空さんの背蝦夷地行く※えんくさん 湯児
ホームに轟くストームの唄卒業期 鳴兎小吉
卒業生より先に泣いたと冷やかされ 紅帽子
家族葬広告のバス吹雪行く 湯児
名残り雪語り明かした喫茶店 山茶花
卒業式ボタン取られることもなく 北留2号
上靴を捨ててひらりと卒業子 高丘夕雨
啓蟄や自己欺瞞からの卒業 鳴兎小吉
咳ひとつ皆振り返る時世かな 山茶花
この部屋の積まれた荷物に春一番 北留2号
手料理を待ちわびる顔水ぬるむ 北留2号
文学部卒、業種はどこがいいのやら 酒多良福
翌檜を仰ぎ卒業二月尽 林檎
卒業式顔覆い少ない歌声 戊瓶
雪灯り除雪の段取り考える ニック・ジャガー
袴着の娘を探す卒業式 戊瓶
卒業歌涙の君に春来たれ 山茶花
上履きは卒業式を欠席の子 湯児
破り捨てた卒業証書を再申請 北留2号
卒業の巣立ちの道を除雪する ニック・ジャガー
過ごし来て思い切れなし卒業歌 高丘夕雨
七五三おぼこい髷に花簪 林檎
十七の先も見えずに卒業す 戊瓶
温かきもの恋しけり二月風 高丘夕雨
中指だけ動かそうとして足がつり 紅帽子
湿雪やシルバー曲げたる重みかな 林檎
風流と縁なき除雪の雪見窓 ニック・ジャガー
除雪ブル屋根にこんもり雪のせて ニック・ジャガー
今こそ別れめ卒業証書は置いてゆく 酒多良福
卒業式胴上げされて落とされて 紅帽子
監視カメラに吹雪の卒業式 湯児
マスクの群衆令和天皇誕生日 鳴兎小吉
卒業したのに学ランが普段着に 紅帽子
卒業の後に芽生える恋もあり 泥游
ぬるき世の風にふわりとぼたん雪 鳴兎小吉
新雪や足あとをまっすぐに刻む 酒多良福
角帽を空に放るや卒業生 山茶花
卒業式スカーフ交換女子契り 林檎
卒論の悔いも覆いて春光る 泥游
卒業の涙も飛ばし揺れる国 泥游
以上です。
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