第126回酔いどれ句会報告
猛暑のなか、体力的には限界を迎えつつあるにもかかわらず、月いちの定番行事、ヨレヨレ句会が開催されました。
兼題は「文」、または自由題です。
出席者は、山茶花、林檎、高丘夕雨、湯児、北留2号、鳴兎小吉、紅帽子、泥游、酒多良福の9名、不在選句者は、床雑巾、未定子、錆爺の3名でした。
一人当たり7句選んでいます。
出句者は、山茶花、床雑巾、高丘夕雨、湯児、北留2号、鳴兎小吉、紅帽子、泥游、酒多良福の9名で、43句が集まりました。
今回から高丘夕雨さんが新たに参加してくださいました。ありがたいことです。
間違い探しとコメントをよろしくね
酒多良福
夏列車海色に置く文庫本 山茶花
角打ちの団扇で混ぜる訛りかな 湯児
地ビールをいただいた栓抜きがない 紅帽子
炎昼や切り終へて爪ぢっと見る 鳴兎小吉
雨寝して回文捻る古団扇 高丘夕雨
文月の容赦なき陽や立葵 酒多良福
熱帯夜妻も娘もセミヌード 泥游
刻まれし文字撫でる人慰霊の日 酒多良福
ケセラセラ呪文唱えて髪洗う 高丘夕雨
昨夜のこと気になりビールぬるくなり 紅帽子
文章題消しゴムの滓汗の跡 泥游
突き抜ける空に向かいて立葵 北留2号
セロ弾きが汗滴らせ降りる駅 北留2号
夜濯や注文多き人帰る 高丘夕雨
文月や今宵狐に会いに行く 北留2号
手をつなぎ蛍が描く文字を読む 北留2号
滝壺は虚無深淵へ入るところ 鳴兎小吉
傘が鳴る赤青黄色雨の粒 酒多良福
旧校舎窓開け放ち夏試験 泥游
祖父は文盲潮焼けの皺また皺 鳴兎小吉
今宵またこまめにビール補給する 紅帽子
夏の宵子狐吾を見据える眼 鳴兎小吉
紫陽花の通せんぼする小径かな 酒多良福
踊るよに浮かれ痴れるや夏太鼓 湯児
プリンタで出した駄文に汗落ちる 泥游
星涼し中島公園天文台 高丘夕雨
緑蔭に老いも若きも肩組みて 紅帽子
蚊に食われし跡生々し熱帯夜 北留2号
花火咲き文庫結びが夜に舞う 床雑巾
大仰に熱がる男女夏日傘 山茶花
薔薇がきや母の想いの色をのせ 山茶花
若き日の香るコロンとソーダ水 山茶花
万緑の一つ一つの凛と立ち 泥游
蛙の子手も足も出ぬ浮世かな 山茶花
「まだいたの」老母に降参昼麦酒 湯児
ラベンダー畑へふわり揚羽蝶 鳴兎小吉
見覚えのある文字と朝顔の花 酒多良福
甲子園魂こめられ見出文 床雑巾
宝物両手で包む桜貝 床雑巾
目をつむれば瀬音葉音の文月かな 湯児
起請文朝寝昼寝も欲しいまま 高丘夕雨
文身の祖先も入るや青葉の湯 湯児
文学部哲学科卒ただの人 紅帽子
以上です。
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