第75回酔いどれ句会報告
客が誰もこないので、昨日の句会のサマリーを作ることにする。なんて効率的な時間の使い方だろう。こんな作業をしていると、むしろ誰にも来てほしくない。
終わるまで誰も来るなよ~
5月11日、出席者7名、不在選句者2名で開催しました。
いつものとおり、一人当たり8句選んでいます。
間違い探しとコメントをお願いします。
葉桜や野天の宴煙立つ 酒多良福
春疾風サロベツ原野風車群 ※はるはやて 鳴兎小吉
葉桜を仰ぐ隣もジンギスカン 山茶花
いつの間に青麦の丈(たけ)野を隠す 深海五峯
音階のずれも楽しやチューリップ 山茶花
廃線の駅に原野の歴史あり 戊瓶
若芽伸びて意地の古株朽ち果てず 北留2号
日本海望む曠野のふきのたう ※こうや 鳴兎小吉
春愁や野天に一つ星ありて ※のてん 山茶花
凛と立つ野花(のばな)一輪原始林 水得魚
揚げ雲雀遥かな山の白さかな ニック・ジャガー
キャンパスに童顔あふれ春の虹 鳴兎小吉
季節まで前にのめって移り行き ニック・ジャガー
想ひしや四十年のちの琥珀杯 ※よそとせ 湯児
ひと時の夜明けの窓の金屏風 ニック・ジャガー
軒先に粗雪残して風光る ※あらゆき 湯児
あっけらかんと残雪消えて腑に落ちず 湯児
揺れてなほ華を競いし糸桜 山茶花
雪解の野命そのもののほろ苦さ 湯児
枯れ光る原野潤す穀雨かな 北留2号
桜去り車も早し日高路 戊瓶
野の花の雪解水(ゆきげみず)にてうるほひし 水得魚
見上げれば威勢よきかな春ヒバリ 酒多良福
野(や)に下る覚悟なき者信を得ず 酒多良福
微笑みは言語野の傷春の部屋 戊瓶
野に生まれ十三年目の梨満開 北留2号
外野席立ちて座りてまた立ちて 紅帽子
闇に散る花を見送り響くジャズ 湯児
照葉樹林青青と萌えにけり 紅帽子
うたた寝を醒ます風吹き野火走る 戊瓶
復興の槌音とかや落椿 鳴兎小吉
野宿して我が身ひとつのリラの朝 酒多良福
野よ山よ来たる季節の芽ぐむ土 水得魚
風渡る野にかしましき揚げ雲雀 ニック・ジャガー
道半ば雲雀の飛ぶを眺めたり 山茶花
梅一輪一輪咲いて庭の春 北留2号
野に近く赤月浮かぶ八十八夜 深海五峯
野芝繁るボールの行方にファーの声 酒多良福
黒土と雪の白さとふきのとう ニック・ジャガー
木漏れ日に野点(のだて)際立つ緋毛氈(ひもうせん) 水得魚
霞晴れはるか真白き利尻富士 鳴兎小吉
ホトトギスや野は明るくてヒバリ鳴くよ 深海五峯
新緑の山もモッコリ精気満つ 紅帽子
タンポポの綿毛飛び行く子らの野に 深海五峯
春なのに葬列のごと黒の群れ 北留2号
野苺に蝶纏い翔ぶ(まといとぶ)散歩道 水得魚
立夏きてやっと釧路のサクラサク 深海五峯
野にありて春爛漫を感じおり 戊瓶
買わんとこ下巻が棚にうずたかく 紅帽子
いやらしい打者と呼ばれて嬉しいか 紅帽子
やっと終わった。
客、来ないかなあ、そろそろ。
店主
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