第73回酔いどれ句会清記表
不在選句をお願いします。
8句選んで、コメント欄に記入してください。
句会同人の方に限らせていただきます。
1 吟醸もいいけど燗は本醸造
2 春節や唐国人のけたたまし ※からくにびと
3 鎮魂のセロはバッハの無伴奏
4 弔電を打つや寒さに叔母想い
5 雪はねにみんな疲れた広尾町
6 世の痛み本の中消えゆく我
7 惜別の車窓に香る桜餅
8 雪深き本線去りし赤電車
9 ぶらんこに置かれたままの文庫本
10 本降りになって二人のこれからは
11 青空に深く呼気して雪解待つ ※ゆきげまつ
12 本の山横目に卒業まだ未だ
13 春めきて仰向けに寝る金魚かな (生きてる)
14 三十年後(みととせご)また卒業の歌を弾く
15 学生の始めと終わりの古本屋
16 地吹雪も暖炉の側で本を読み
17 吹雪夜半本能のまま手酌酒
18 借りたまま返せぬ本に手を合わす
19 友集うグイっとここは本醸造
20 春浅し明るい色の紅を引く
21 水だけじゃなくつまみもほしい試飲会
22 雛祭り前夜に雪の降るを聴く
23 五年振りギター掻く手のぎこちなさ
24 氷紋はひとときのみの曼陀羅図
25 おかえりと懐かしき歌よみがえる
26 醒めてなほ続き恋しや春の夢
27 固唾呑み灼熱砂漠見る凍夜
28 粉雪や本当のことは見えにくし
29 句会あと吹雪のなかを立ち呑み屋
30 レシートの褪せたインクを包む本
31 ひとすじの雪解光あり座禅会 ※ゆきげこう
32 日向ぼこ小樽坂道老いた猫
33 立春も寒さの残る四畳半
34 大掃除積み上がり行く本苦し
35 無惨なり雨に打たれる古本の束
36 寝違えて夢見る春の膝枕
37 純白の重さ堪えかね春陽想う ※はるひ
38 本性は何処ぞにありや桃の花
39 子猫抱き大きな溜まり飛び越える
40 男気を待って涙の八年目
41 寂しさは名もなき街に並ぶ古本
42 見ることは見ないことなり南瓜煮る
43 帰えらじと知りつつ想う春浅き
44 手袋や片方落ちて道の端
45 卒業を飾る嬉しさ本真珠
46 塵光る本棚覗く春の昼
47 長き陽に紙魚もまどろむ小正月 ※しみ
48 春浅く硬き蜜柑の皮齧る
49 鋏もて切り置きたきや寒満月 ※はさみ
50 蟹と牡蠣書けずは喰うな父が言う
51 日の本に春の嵐か前のめり
52 オリオン座眩しく映ゆる帰り道
53 雪見酒少し寂しく意地を捨て
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