第21回「酔いどれ句会」報告

BBQくにむら

2010年11月03日 09:52


最近になく早い時期のまとまった初雪の後、雨の日が続いて落葉が濡れて光っている札幌です。

先月後半から「士幌小屋ツアー」「芋煮会」とイベント続きだった酔いどれ句会のメンバーですが、何はなくとも毎月第1月曜日は酔いどれ句会です。(今回は与太郎さんが句会に初参加です!)
〇日時 : 平成22年11月1日(月)19時頃から
〇場所 : BBQくにむら
〇費用 : 各自の飲み代
〇兼題 : 「匂い香りなど嗅覚関連一切」
〇投句 : 基本は一人5句(うち1句以上は兼題を詠み込んだ句とする)、少ない投句数でもOK。
〇選句 : 今回は一人8句選んでいます。 
〇参加者: 
投句&句会参加は酒多良福、鳴兎小吉、北留2号、風船、実桜、泥游、恵夢の7人。
不在投句はニック・ジャガー、紅帽子、錆爺、俳隅巣、湖星の5人。
投句なしで句会だけ参加が与太郎と戊瓶の2人。
水月は不在投句ですが別途選句もしてくれました。
以上、合計15人の参加です。

最終的に選句者10人ということで、今回の句会の理論上の最高得点(満点)は以下のようになります。
  〇句会参加者:9点(自分の句には点を入れられないので)
  〇不在投句者:10点

 6点句

牡蠣蒸して磯の香立ちて酒一献           (酒多良福)   

 5点句

突然の電話の向こうに紫煙見え            (俳隅巣) 

 4点句

布団干す陽の香の名残惜しむ秋            (恵夢) 
休暇明け廊下の匂い襟正す               (泥游) 
お湯割りの芋の香ただよふ句会かな          (鳴兎小吉) 
散らぬ葉を枝ごと断てり湿り雪              (北留2号) 

 3点句

落葉舞い並ぶ屋台に白煙立つ              (泥游)           ※けむりたつ
長き夜に缶ピースの中嗅ひでみる            (俳隅巣)
古本の香に追憶の鼻を突き                (鳴兎小吉)  
               
 2点句

口元に香る熱燗ゆるむ頬                 (風船)
晩秋はなぜか煙の匂いかな               (ニック・ジャガー)   
日曜は紅茶の湯気もやわらかく             (ニック・ジャガー)
ふるさとの山の匂いに鮭帰る               (北留2号) 
雪虫のわがくちびるに果てにけり            (水月)  
きのこの香あふるる朝の厨かな             (水月) 
木枯らしに折れて芳し青紅葉              (酒多良福) 
ストーブのにおい頼もしみぞれ道            (酒多良福) 
疾く流る雲や棚田の彼岸花               (実桜)
ほくほくの鍋満腹の芋煮会                (紅帽子) 
落ち葉さえ君が掌に舞い匂い立つ           (湖星)            ※きみがてに
石炭の匂い懐かし車窓の風               (泥游)            ※まどのかぜ
      
 1点句

ひとり待つ色づく街にコーヒーの香           (北留2号)
まつたけのかおりをつけてしめじ喰う          (北留2号) 
松茸の割れは悲しきお椀かな              (北留2号) → → ことば遊びの句です。
ハラヘッタマイタケゴハンイイニオイ           (錆爺) 
珈琲の湯気記憶の底の甘き夢              (実桜)           ※かひのゆげ
豚骨や排気は臭いになぜうまい             (実桜)
ふるさとの川の匂ひぞ鮭のぼる             (鳴兎小吉)
高原の朝は澄みきり冬かをる              (鳴兎小吉)
銀杏のまだ青き実ぞ匂いける              (紅帽子)
金木犀雨に濡れても香り立ち               (ニック・ジャガー)
シュークリームカレー風味はちょっと無理        (ニック・ジャガー)
十三夜ストーヴ静かに暖かし               (風船)
新蕎麦の打ち立て喰ひし二人かな            (風船)
焼き芋の甘い匂いと木枯らしと              (風船)
エンジンの匂い浜風雪の舞う               (風船)
襷掛け握手求むや古き友                 (恵夢)
東塔の先の先より秋の降る                (湖星)
初深雪落葉木の枝ほおずきに              (泥游)          ※はつみゆきおちばぎ
遥かなる山雪を被し夜明なり               (水月)          ※きし
初デート臭き科白に秋の風                (酒多良福)
              
 

写経せむほどに生きしや薬師香             (湖星)
ふたりしてふうと踊らす柿の種              (湖星)
十八の我と虫聞く中宮寺                 (湖星)
じゃがいもの箱の中さへお母さん            (俳隅巣) 
肌寒と母が言へば子は暑がり              (俳隅巣)
手に乗せて柿見分ける柿の尻              (俳隅巣)
コタンには鮭を迎える儀礼あり              (水月) 
ぶどうの香あふるる夜の厨かな             (水月)  
雪連れて木枯らし一気葉をむしる            (酒多良福) 
楡落葉踏みゆく道をかさこそと              (紅帽子)  
友とゆく秋まっさかりの大十勝              (紅帽子)
黄昏に匂やかに舞う落ち葉かな             (紅帽子)  
熱燗や酒の香かをる一杯目               (錆爺)           ※さけのか            
まいったな秋の迷惑カメムシの香り           (錆爺) 
秋雨や冬ひたひたと迫りをり               (恵夢) 
鍵になり何語らんや渡る鳥                (恵夢) 
初雪や二月前は三十度                  (恵夢)
故郷の匂いに固く口結ぶ                 (泥游)   
秋日入りほこりの白く浮き立つや            (実桜)           ※あきひ
窓外の枯れ色に似た紅茶かな             (ニック・ジャガー)  
去る人の行方を祈る長き夜               (北留2号) 
恋ふるかよ山気つらぬく鹿の声             (鳴兎小吉)   
                           
以上、63句です。

(文責:鳴兎小吉)

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