第14回「酔いどれ句会」報告

BBQくにむら

2010年04月06日 15:48

「酔い酔いでカープ弱しで骨を折り」 (紅帽子)

歓送迎会の時期です。皆さん、呑みすぎてお疲れではないでせうか。
しかし、いかに飲み会が続こうとも、熱狂的に応援している広島カープがダントツの最下位に沈んでいようとも、けっして芋焼酎を呑みすぎて悪酔いしてはいけません。
ましてや負けた腹いせにゴミ箱を蹴っとばして足の親指を骨折するなんてことは、高等教育機関に奉職する方がまさかなさるとは思えませんが・・・
紅帽子さんの一日も早いご回復を心からお祈り申し上げます。


〇日時 : 平成22年4月5日(月)19時頃から
〇場所 : BBQくにむら
〇費用 : 各自の飲み代
〇兼題 : 「飯」一切
〇投句 : 基本は一人5句(うち1句以上は兼題を詠み込んだ句とする)、少ない投句数でもOK。
〇選句 : 今回は一人8句選んでいます。 
〇参加者: 
投句&句会参加は酒多良福、鳴兎小吉、恵夢、北留2号、泥游、実桜、風船、戊瓶の8人。
投句なしの句会参加は未定子、KY原の2人。
不在投句はニック・ジャガー、錆爺、紅帽子、俳隅巣の4人。
水月は不在投句ですが別に選句もしてくれました。
以上、合計15人の参加です。

最終的に選句者11人ということで、今回の句会の理論上の最高得点(満点)は以下のようになります。
  〇句会参加者:10点(自分の句には点を入れられないので)
  〇不在投句者:11点

 7点句

烏賊飯を車窓に並べ春の海          (鳴兎小吉)               

 4点句

赤飯で祝う門出に名残り雪          (ニック・ジャガー)
春雨に小銭握りて飯屋かな          (風船)

 3点句

氷河期も卒業旅行の呑気かな         (酒多良福)
飯食えぬ者おり春は名のみかな        (酒多良福)
ご飯だよ何はともあれ集う子ら        (恵夢)
ぼたん雪ふわりと溶ける土の色        (恵夢)
等高線行きつ戻りつ春の雪          (北留2号)
春の虹鯱飛びあがる羅臼沖          (水月)
春ゆふべ乳色深む大雪山           (鳴兎小吉)
              
 2点句

早春の宵のため息未だ白し          (恵夢)
店先の菜花や今宵飯の彩           (恵夢)
子ら眠り鰊ちびちび夜更け飯         (泥游)
繰り返すアンコ-ルかな雪景色        (泥游)
学び舎を発ちて一先ず祝い飯         (泥游)        ※まなびや
朝飯に家族が揃って新学期          (戊瓶)
日高路の白波照らし朧月           (戊瓶)
古雛は母の思ひを染み込ませ         (俳隅巣)
はくれんの花を掃く人見かけおり       (俳隅巣)
春愁や灯ともし頃に酒恋し          (紅帽子)
陽ざかりの春ベランダにシーツ干す      (紅帽子)
歳とりて娘と呑める良さもあり        (ニック・ジャガー)
天塩川水面開かぬか春浅し          (ニック・ジャガー)
飯炊けて鼻から目覚める厚布団        (酒多良福)
夕飯へ帰る背中に桜花            (風船)
菜の花のご飯おひたし君と僕         (風船)
白鶺鴒低く飛びたる春の土          (水月)
のすり舞ふ空から手紙牡丹雪         (水月)             

 1点句

「受かったよ」の知らせにコンビニお赤飯   (北留2号)
サッチェプのあまたつるされチセ朧      (水月)
籠り居の吾をうながす春の月         (水月)
春の雪朝飯前の一仕事            (ニック・ジャガー)
卒業の朝の匂ひは赤飯かな          (俳隅巣)
あたたかや青セキセイに頬寄せる       (俳隅巣)
飯は小盛りおなかはすでに大盛りサイズ    (錆爺)
土を割る待雪草の清しさよ          (実桜)        ※すがしさよ
夕暮れて酒か飯かに迷いおり         (紅帽子)
台北の屋台の夜の熟し風           (紅帽子)       ※タイペイ
モノトーン続く石狩春霙           (鳴兎小吉)
雲上の銀嶺不二の春茜            (鳴兎小吉)
春雪の屋根の波間の空眩し          (泥游)
高瀬川夢も運びし桜かな           (戊瓶)
王朝の栄華を偲ぶ垂桜            (戊瓶)        ※たれざくら 
俄雪明日は溶けなん薄日差す         (恵夢)        ※にわかゆき

 

粥飯で甘酒醸す春炬燵            (実桜)
あたたかき余寒の雪のさみしさや       (実桜)
除雪機が唸りをあげて拓く道         (実桜)
また来年鰊の切り込みホッケの飯鮨      (実桜)        ※いずし
もうすでに遠い昔の大盛り飯         (錆爺)
民主党自民支配のガス抜きか         (泥游) 
カマの飯食った仲間に花ひらく        (北留2号)
新生活慣れて底つく炊飯器          (北留2号)
残雪の眩しき車窓に缶ビール         (酒多良福)
古漬けの飯寿司の味に春は来ぬ        (酒多良福)
円山に今年も辛夷咲きにけり         (風船)
赤レンガ水のぬるみて鴨騒ぐ         (風船)
春空へ真直ぐな道をスロウジャズ       (鳴兎小吉)      ※ますぐ
路地裏の史跡を訪ね京の旅          (戊瓶)
雪解けてひとり十勝で待つ老母        (俳隅巣)

以上、59句です。

今回の兼題「飯」はみんなヒーヒー言ってましたから、なかなか手ごわかったようです。
それでも手練手管をもって何とかひねり出すところは酔いどれ俳人たちのノリの良さでしょうか。
では、皆さんこれからもそのノリでよろしくお願いしますね。

(文責:鳴兎小吉)

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