第11回「酔いどれ句会」報告
御用始そして仕事始の人もいる1月4日、正月疲れなのかちょっと気だるい感じを漂わせながらも、なぜか人は足早に過ぎ去っていきます。そんな中、いつもどおりに静かな「くにむら」に酔いどれ俳人たちは粛々と集まってきます。
正月明け早々であろうとなかろうと、そう、第一月曜日は酔いどれ句会です。
今回は、くにむらの古くからのお客さんの水得魚(みえとと)さんが不在投句にて初めて参加してくれました。
〇日時 : 平成22年1月4日(月)19時頃から
〇場所 : BBQくにむら
〇費用 : 各自の飲み代
〇兼題 : 「星」一切
〇投句 : 基本は一人5句(うち1句以上は兼題を詠み込んだ句とする)、少ない投句数でもOK。
〇選句 : 今回は一人8句ずつ選んでいます。
〇参加者:
投句&句会参加は酒多良福、鳴兎小吉、恵夢、北留2号、泥游、ニック・ジャガーの6人。不在投句は実桜、戊瓶、錆爺、水得魚の4人。水月は不在投句ですが別に選句もしてくれました。
以上、合計11人の参加です。
最終的に選句者7人ということで、今回の句会の理論上の最高得点(満点)は以下のようになります。
〇句会参加者:6点(自分の句には点を入れられないので)
〇不在投句者:7点
4点句
はあはあとこぐ雪楽し青き空 (実桜)
3点句
成人の日ピアスの星も光りけり (水月)
雲の間に星射る空を凍え待つ (泥游)
流星群儚き願いで満ちる空 (酒多良福)
2点句
星の名を父にたずねし銭湯帰り (北留2号) ※ふろがえり
凍みわたる静けさ星の声を聞く (北留2号)
湯煙に星影ゆらぐ露天風呂 (錆爺)
イカール星人の襲うハコダテ小春空 (鳴兎小吉)
冬青空ほんとの自分少し出し (鳴兎小吉)
初雪や凛々と降る星のごと (恵夢)
星見上げ一日の無事感謝する (ニック・ジャガー)
かじかむ手忘れて見入る土星の輪 (ニック・ジャガー)
五稜星泡の向こうに開拓く夢 (泥游) ※ひらく
転た寝の父は起こさず大晦日 (水月)
初夢も戦ってゐる漢かな (水月) ※おとこ
願うなら遅くはないと流星痕 (実桜)
ぐるぐるに星巻きつけられ聖夜かな (酒多良福)
星屑の光を消すや雪灯り (戊瓶)
1点句
久々に雪踏む朝の清々し (恵夢)
水溜まり雪孕む雲を写しけり (恵夢)
真青なる冬空の下息ひとつ (恵夢)
黒星を数えて帳面閉じ元旦 (酒多良福)
流星群見るを忘れて忘年会 (鳴兎小吉)
凍星や天文手帳出さぬまま (鳴兎小吉) ※いてぼし
まあそんなもんだなと女つぶやき年暮るる (鳴兎小吉)
凍つる夜や耳をすませば星の楽 (水月)
初春やばば抜きまたもばばの負け (水月)
いざ行かん大オリオンに背を押され (北留2号)
畏るべきうじゃめく星空まだ在りや? (ニック・ジャガー)
欲の無い素敵な名前星鴉 (ニック・ジャガー) ※ほしがらす
若い頃はすばるの粒々見えたのに・・・ (ニック・ジャガー)
雪の森星も無き夜気配盈つ (実桜) ※みつ
漆黒の新年彩る明けの星 (水得魚)
初日の出山の端がチリチリと焼け (実桜) ※やまのは
雪降りに梢を渡る星鴉 (実桜)
星空もキンと鳴るほど冷えており (ニック・ジャガー)
雪原に老雄駆ける熱き大地 (泥游) ※あつきみち
華もなく酔いつつ入りぬ五十路かな (泥游)
秋晴れに茶色の客車若き日よ (泥游)
行きは春帰りは雪のみちのく路 (錆爺)
聞き流す遅延情報星の数 (錆爺)
指差して一番星を見つけたり (戊瓶)
決断の星の定めを受け入れて (戊瓶)
寒空や星の輝き凛として (戊瓶)
衆議あり星よ生命を救われん (戊瓶)
もみの木の星のみ眩し暮の宵 (酒多良福)
星座はと問いし聖夜の君熱し (酒多良福)
北の地におおぐまこぐま輝けり (北留2号)
ファイヤーも熾き火になりて星あかり (北留2号)
謐として在る星ひとつ我が身かな (恵夢)
以上、50句です。
今回は選句数を8句に絞ったのと出席者が少なかったので全体的に点数が低くなりましたが、思いがけず点の入らなかった句の感想や講評が充実する結果になりました。いつもより30分以上早めに余裕をもって終われたし、こんな感じの句会もいいもんだね・・という感想でお開きになったのでした。
(文責:鳴兎小吉)
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