無教養な言葉狩り

いつから「暴力装置」というタームが侮蔑的な意味を持つようになったのか。誰か教えてほしい。

支配の源泉は暴力だ。そんなこと高等教育を受けるまでもなく誰でも知っている常識だ。ルールを逸脱する者に罰を与え、外からの侵入者を撃退するために暴力を用いる。ここで言う暴力とは、「徳を以って治むるにあたはざる者」に対して行使する物理的力のことだ。具体的には鉄砲のこと。
そういえば、アメリカ合衆国の人民は政府を取り替える権利、つまり革命権を保有している。暴力装置を持っている政府を打倒するためには必ず必要だと思っているから、彼らは鉄砲を絶対に手放そうとはしない。

サヨク的言葉と見る向きもあるらしいが、噴飯ものだ。リベラルアーツを修めた学生であれば、概念として理解しておくべき事柄だろう。普通の言葉に勝手に色をつけて、使う者を色眼鏡で見るなんぞは差別主義者のやること。自分で使っておいてすぐに取り下げて謝る者は、自らが差別主義者だと告白しているようなものだ。

小心亭不拘泥（８３）無職